2005年から、毎週1回 木曜日 呼吸器外科外来で「アスベスト・中皮腫外来」行われている。 現在までに、初診、再診を合わせて 合計7000人を超えている。 今週、「アスベスト・中皮腫外来」で 担当の先生に お逢いした。12年前に 筆者の授業を受けられた(2008年卒業)とのことである。 大変 真摯な姿勢に 大いに感銘した。 難治性の中皮腫も、早期に診断・治療すれば、治る時代の到来となろう。 その後、担当の看護師と昼食しながら、依頼原稿『スベスト・中皮腫外来と検診』を共著で執筆することで 大いに話が盛り上がった。
その後、先週の博士課程の大学院生の授業『がん学(Basic): がん、発がん、病理学』に続いて、今週は、修士課程の大学院生の授業『がんと遺伝子 〜 がんの定義、自然史と介入』のビデオ収録(90分)を 教室で 1人で行なった。
【目的】
「人のからだに 巣食ったがん細胞に介入して、その人の死期を 再び未確定の彼方に追いやり、死を忘却させる方法を 成就すること」である。「適時診断 と 的確治療」の実現である。がん治療にあたって、より患者の視点に 寄り添うことが求められる。「がん」の根幹を追求し、俯瞰的に物事を 総合的に見られるようにする ことを目的とする。
【概要】
「潜在的な需要の発掘」と「問題の設定」を提示し、「がん学に 新鮮なインパクト」を与え、ダイナミックにも魅力ある「がん学の環境」を作る。これらを通して 実践的な「がん哲学」の涵養を図る。
【メッセージ】
ダイナミックな「広々としたがん学」は、時代の要請であると考える。「広々としたがん学」とは、「がん学」には 限りがないことを よく知っていて,新しいことにも 自分の知らないことにも 謙虚で,常に前に向かって努力している イメージである。
【目標】
1.世界の動向を見極めつつ 歴史を通して今を見通せるようになる。
2.俯瞰的に「がん」の理を理解し「理念を持って 現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材となる。
3.複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔く人材となる。
これが、筆者の授業のあり方で、理念である。