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執筆者の写真樋野 興夫先生

第136回 「時代の座標軸」 〜 「能力を人の為に使う」 〜

『今は亡き 元検事総長・元東京女子大理事長 原田明夫 氏(1939-2017)を「偲ぶ」』の原稿を依頼された。 「21世紀の知的協力委員会」の理念で、

一緒に企画・開催したシンポジウムが 鮮明に蘇ってきた。


2000年『新渡戸稲造 武士道100周年記念シンポ』(国連大学)

2002年『新渡戸稲造生誕140年』(伊香保温泉)

2003年『新渡戸稲造没後70年』(札幌)

2004年『新渡戸稲造 5000円札さようならシンポ』(国連大学)


「20世紀の知的協力委員会」(12名のメンバー)は、新渡戸稲造(1862-1933)が、国際連盟(ジュネーブ )で立ち上げた(後のユネスコ)。アインシュタイン、キューリー夫人もメンバーであった。 『真の国際人』とは、「賢明な寛容」を持ち、「能力を人の為に使う」人物であろう!


先日、18年前の2003年04月01日の共同通信の記事『「時の人」:世界的がん病理学者の紹介に取り組む癌研究所の樋野興夫さん』が、送られてきた。


『今年は、人工的に内臓がんをつくるのに成功した 世界的病理学者、故吉田富三博士の生誕百年。 その記念事業の推進に奔走する。 「今は学問全体の閉塞(へいそく)感がある時代。 深く考えることをしなくなった。 じっくり研究し、がん細胞から見た社会の病理をもとらえた博士の生き方や哲学を、広く伝えたい」吉田博士は福島県生まれ。 東北大、東京大などの教授、癌(がん)研究会癌研究所所長を歴任。 がん研究の基礎づくりだけでなく、医学の使命などについて提言した。 十年前、博士の業績を深める研究に取り組んだのを機に 自伝や論文を読んだ。 「顕微鏡を通し哲学を語った人」「時代の座標軸になるはず」との思いが募った。 会ったことはなかったが、のめり込んだ。 「博士に言わせれば、がん細胞で起こることは 人間社会でも起こるし、犯罪など悪いことを防ぐのは、がん予防と共通する部分がある」自身の専門は がん化のメカニズム解明。 博士の継承者になりたいと言い、研究もしっかり。 学術賞など、受賞歴も多い。 癌研では実験病理部長を務める。 大学の非常勤講師など、各地で教壇にも立つ。 「今の学生は、心から尊敬できる人物が いないのかもしれないな」。 博士のことを話すと、学生の目の輝きが違ってくるからだ。 家庭サービスは「駄目」。米国人の妻ジーンさんに話が及ぶと「もう、あきらめているんじゃないか」とほほ笑んだ。 島根県出身。四十九歳。』。 大いに感動した。本当に懐かしい記事である。 涙無くして語れない!


また、2014年の『こころの友』の『病気であっても「役割」はある』を 読まれた方から 記事が送られてきた(添付)。 『人生の「不連続の連続性」を 痛感する日々である。



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