2021年11月4日 順天堂大学に寄った後、御茶ノ水で、映画『がんと生きる言葉の処方箋』&『音楽の処方箋』の製作(添付)にも担当された上田幸伺 氏と来年の『新渡戸稲造(1862-1933)生誕160周年記念シンポジウム』の開催企画について面談した。 実現したら、歴史的大事業で、快挙であろう! まさに「冗談を実現する胆力」の実践であろう! その後、中野にある「新渡戸記念中野総合病院」と「へるす出版社」に赴いた。
この度、新刊『がん細胞から学んだ生き方 〜「ほっとけ 気にするな」のがん哲学 〜』(へるす出版)が発行されることになった(添付)。 その経緯は、筆者が、順天堂大学医学部 病理・腫瘍学教授を定年退職後、新渡戸稲造記念センター 長を拝命した新渡戸記念中野総合病院の近くにある『へるす出版』の事務局の斉藤浩司 氏から2021年3月30日、【埼玉医科大学総合医療センターの石田秀行 先生からご紹介をいただき、メールをさせていただきました。 樋野先生が 新渡戸記念中野総合病院に ご出勤され、ご都合がいいときに、一度、ご挨拶(出版企画に関してのご相談)にうかがえればと思っておりますが、いかがでございますでしょうか。 不躾ではございますが、ご検討いただけますと幸いに存じます。】との心温まるメールが届いた。 そして、出版の実現の運びとなった。 『ほっとけ 気にするな』は、筆者が作詞した曲のタイトルで、ここにも上田幸伺 氏との繋がりがある。 本当に、人生の不思議な流れを 痛感する日々である。
構成(章立て)は、
第1章:医療者としての原点
第2章:病理医から見た臨床医
第3章:がん細胞が語る人間社会
第4章:がん哲学での「言葉の処方箋」
第5章:クオリティ・オブ・デスを考える
第6章:がん教育はなぜ必要か?
である。
筆者は、2021年7月1日、新渡戸稲造から学んだ河井道(1877-1953)が、初代学園長である学校法人恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。 「1919年パリ講和会議が開催されている頃、『スペインかぜ』がフランスでも猛威をふるっていて、パンデミック(世界流行)で、感染者6億人、死者4000〜5000万人にも達したと推定されている。」と 以前に聞いたものである。 その時、新渡戸稲造はパリにいて、その後、国際連盟事務次長(1920〜1926)に就任している。 トーマス・カーライル(Thomas Carlyle;1795-1881)の影響を受けた新渡戸稲造は、「common sense(社会常識)を備えもった柔軟性のある人格者」と謳われている。 「コロナ時代の生き方」が問われている現在、「新渡戸稲造なら、何んと語るのであろうか?」の静思の日々である。 「やるだけのことはやって、後のことは心の中で、そっと心配しておれば良いではないか。 どうせなるようにしかならないよ」(勝海舟:1823〜1899) の言葉が、鮮明に蘇る日々である。 本書が、少しでも『「何を学ぶか」も大事だが、それ以上に「誰に出会うか」がもっと大切である。』の お役に立てば、幸いである。
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