新渡戸グローバルCPC(Clinico-Pathological Conference)に赴いた。 今回は、『①1年次研修医が司会の場合、2年次研修医がサポートし充実を図ります。②ミニレクチャーとして新シリーズ「脳肉眼診断の極意」を始めます。』と謳われていた。 ポイントは、「脳の肉眼所見のみで、どこまで診断が詰められるか」であった。 東京医科歯科大学病理の先生方も参加され、純度の高いCPCであった。 病理医にとっては、日々勉強である。
(CPCとは・・・平成16年度から新しくなった医師臨床研修制度では、臨床医療を行う全ての医師に卒業後2年間にわたり、プライマリ・ケアを身につけるための研修を求めています。その中で、CPC研修(CPCへの症例呈示とレポートの提出)が必修とされています。CPCは臨床-病理検討会(Clinico- Pathological Conference)と言って、患者さんの診療に当たっている臨床医と、病理診断を行う病理医が集まり、症例検討を行う会です。~「日本病理学会」のHPより引用~ https://pathology.or.jp/senmoni/cpc2.html)
2021年11月25日『吉田富三記念 福島がん哲学外来』(福島県立医科大学付属病院腫瘍センター がん相談支援センターに於いて)に赴いた。 チラシには、【『吉田富三記念 福島がん哲学外来』は、「福島県出身の世界的病理学者 吉田富三博士を記念して、吉田博士の孫弟子 樋野興夫先生と「福島がん哲学外来」を開設いたしました。 患者さんの思いや日常生活の悩みを受け止め、じっくりと対話する“心の診療室”です。 がんにまつわる悩み・不安を持って生きる患者さんとそのご家族の受診をお勧めします。」と紹介されており、「「がんと共に生きる意味とコツを、樋野先生が先人達の知恵を紐解き一緒に考えます。」】と記載されている。『吉田富三(1903-1973)福島県浅川町生まれの病理学者。「吉田肉腫」及び「腹水肝がん」の発見で世界的に知られ、文化勲章を受けた。学者としてのみならず、がんという病気を通じて社会の原理にまで言及する言葉を多く残す。」と記述されている。
来年は、新渡戸稲造(1862-1933)生誕160周年である。『われ21世紀の新渡戸とならん』が、さりげなく注目を浴びてきた。『われ21世紀の新渡戸とならん』の初版(イーグレープ発売 いのちのことば社)は2003年、新訂版は2018年である(添付)。初版の序文には、【「所詮われわれには、死ぬときは『畳1枚ほどの墓場』しか残らない。 『勇ましく高尚なる生涯』の生き様を見せるしかない。精神的デフレが進む現代、『愉快に過激にかつ品性』を合言葉に ーー 新渡戸稲造と吉田富三の総合ビジョンを問い直す機会になれば幸いである。癌哲学の普遍化の第1歩である。】と述べている。 思えば、2001年に「がん哲学」を提唱したものである。 新訂版の【序文】には、【思えば筆者の人生は、小さな村での少年時代の原風景、浪人生活での人生の出会い、学生時代の読書遍歴(内村鑑三;1861-1930・新渡戸稲造・南原繁;1889-1974・矢内原忠雄;1893-1961)、癌研での「病理学(吉田富三・菅野晴夫;1925-2016)との出会い、アメリカでの恩師『遺伝性がんの父:Knudson』(1922-2016)の「学者の風貌」との出会いが、根幹にある。まさに「人生邂逅」の「非連続性の連続」である。】と追記している。 今年(2021年)は、生誕160周年である内村鑑三の「根本的革新は常に静穏の業」が鮮明に想い出される。 まさに、「人生の師 ー 歴史・学問の動脈」の実感の日々である。
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