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執筆者の写真樋野 興夫先生

第199回 「高度な専門知識の習得の交流の場」〜 「歴史からの学び」」 〜

 2022年5月17日、本の編集者との面談の機会が与えれた。 『空海(774-835)、最澄(767-822)、法然(1133-1212)、親鸞(1173-1263)は、聖書を読んでいましたか』との話題で大いに盛り上がった。 筆者は、以前「空海(真言宗)、最澄(天台宗)は遣唐使として留学していた。 空海は新約聖書、最澄は旧約聖書を日本に持ち帰った」、また「聖徳太子(574-622)の『17条憲法』、親鸞の『歎異抄』には聖書的な言葉もありますね!?」と聞いたものである。 筆者の実家は法然の浄土宗の檀家で、若き日から、浄土宗の法然と、その弟子の浄土真宗の親鸞の『歎異抄』は、熟読したものである。 今夏 京都の浄土宗のお寺で講演を依頼されている。 まさに、「歴史からの学び」の時である。 小学生時代に聴いた「ボーイズ・ビー・アンビシャス」(boys be ambitious)(1877年 札幌農学校のクラーク博士:1826-1886の言葉)が、筆者の人生の起点にもなった。 クラーク精神が、内村鑑三(1861-1930)と新渡戸稲造(1862-1933)へと導かれ、英文で書かれた『代表的日本人』(内村鑑三;1908年)と『武士道』(新渡戸稲造;1889年)は、若き日からの座右の書で、そして、南原繁(1889-1974)と 矢内原忠雄(1893-1961)へと繋がって行った。 「人生の邂逅の非連続性の連続性」である。


2022年5月18日は、順天堂大学 保険医療学部の診療放射線学科で『病理学総論』と『がん医療科学』の2コマの授業に赴いた。 『病理学総論』では、『カラーで学べる病理学』の教科書を音読しながら【「異物の処理」、「肥大と過形成」、「生体と循環のしくみ」、「充血とうっ血」、「旁側循環」、「出血:出血の種類、出血による結果と影響、出血性素因:血液凝固の異常、血小板の異常、血管壁の異常」、「血液凝固と血栓症;止血機構、血栓症とは、血栓形成の3要因、血栓の種類:動脈血栓、静脈血栓、混合血栓、単純血栓、血栓症素因、血栓による結果と影響」、「塞栓症」】を学んだ。 『がん医療科学』では、筆者の『楕円形のこころ』を用いて「第3話 クオリテイー・オブ・デスの世界」の箇所から【「孤独になれる」、「1日1時間の静思」、「病気であっても病人でない社会」、「聖書が伝える生命のドラマ」、「がんとの共存」、「がんを取り巻く環境」、「クオリテイー・オブ・デス」】を語った。 授業とは「高度な専門知識の習得の交流の場」を実感する日々である。

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