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執筆者の写真樋野 興夫先生

第202回 「心の故郷」 〜 共有しながら寄り添う 〜

 2022年6月8日 順天堂大学 保健医療学部 診療放射線学科の3時限目の

授業『病理学概論』に赴いた。 今回も教科書『カラーで学べる病理学』を

音読しながら進めた。 箇所は「急性炎症のしくみ」:局所の血管反応

(循環障害と滲出)、(血球成分の遊走)、炎症にかかわる細胞 〜 多形核

白血球、リンパ球、単球、マクロファージ、繊維芽細胞、血管内皮細胞

〜、炎症に関与する細胞由来の化学伝達物質 〜 血管作動性アミン、アラ

キドン酸代謝産物、サイトカイン、成長因子 〜、補体、貪食作用、細網内

皮系、「急性炎症の種類」:漿液性炎、カタル性炎、線維素性炎、化膿性

炎〜蜂窩織炎、膿瘍、蓄膿症〜、壊死性炎、「急性炎症の運命」、「慢性

炎症のしくみ」:急性炎症に続く慢性炎症、最初から慢性炎症として発症

する場合、慢性炎症の化学伝達物質、慢性炎症の運命、「肉芽腫性炎症

(特殊性炎症)、「炎症の全身への影響」を行った。 いつもながら、真摯

に教科書を音読する学生の姿勢と多数の質問には、大いに感動した。 教室

での音読の授業は、「皆と共有しながら寄り添う」学びの原点でることを

実感する。


4時限目の授業『がん医療科学』では、『楕円形のこころ』(春秋社)を

用いて進めた。 今回は、「チャウチャウ犬のように」、「予防医学は難し

い」、「みえざるもののありか」、「訪れる人を温かく迎え入れる」、

「支える医療 〜 がん哲学外来 〜」、「楕円形は懐が深い」を音読しなが

ら進めた。「先生は、どこに旅行したいですか?」とユーモア溢れる質問

を頂いた。 筆者は、日本では、さりげなく、「軽井沢 & 札幌」と答えた

(添付)。 新渡戸稲造(1862-1933)生誕160周年記念の事業である8月の

「軽井沢の旅」、10月の「札幌の旅」を紹介した。 「参加したい学生も

居られる」の予感がする。 学生にとっては、「人生の良き想い出」となろ

う!筆者にとっては、内村鑑三(1861-1930)と新渡戸稲造の所縁のある札幌

農学校、軽井沢の内村鑑三の「石の教会」、新渡戸稲造の「軽井沢夏季学

校」は、若き日からの「心の故郷」でもある。




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