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執筆者の写真樋野 興夫先生

第211回 「古き歴史と日新の科学」を踏まえて 〜 改めて問い直す 〜

 2022年8月9日 筆者が理事長を務める恵泉女学園に赴いた。 経堂駅からタクシーで参上する時、偶然にも運転手の親族が恵泉女学園の卒業生とのことで、「恵泉女学園は大変素晴らしい」と、大いに話が盛り上がった。


2022年8月10日は、『目白がん哲学外来カフェ6周年記念』講演会(森尚子 氏の主催で 目白町教会に於いて)に赴いた。 今回は、牧師:土肥研一 先生とのインタビュー形式であった。 多数の質問があり、大変有意義な貴重な時であった。 その後パネルデスカッションが企画され、筆者は、別室で、6組の個人面談を行なった。 閉会の挨拶では、【人生邂逅の三大法則は、「良い先生、よき友、良い読書」である。そして、人生は開いた扇のようである。人生における出会いは、出会った時に受ける影響だけに留まらず、20~30年後に影響してくることがある。小さな村での少年時代の原風景、学生時代の読書遍歴:内村鑑三(1861-1930)・新渡戸稲造(1862-1933)・南原繁(1889-1974)・矢内原忠雄(1893-1961)、癌研での「病理学の出会い」、アメリカでの「学者の風貌との出会い」と「人生邂逅」の「非連続性の連続性」であった。「古き歴史と日新の科学」を踏まえて、次世代の新しい精神性として改めて問い直す時代到来である。】と、さりげなく語った。 また、【私の故郷は無医村であり、幼年期、熱を出しては母に背負われて、峠のトンネルを通って、隣の村の診療所に行った体験が、今でも脳裏に焼き付いている。 私は、人生3歳にして医者になろうと思ったようである。】と語った。


その後、順天堂大学医学部の病理・腫瘍学教室に向かい、中国からの留学生:施陽先生に中国語訳:『がん哲学』(2004年3月7日発行to be出版)を差し上げた。<はじめに>には、【筆者は2003年、がんの本態解明に道を切り開いた、世界に誇る がん病理学者:吉田富三の『生誕百年記念事業』に明け暮れた。――― 本書は、筆者の青春期の起点であった南原繁(戦後最初の東大総長)の「政治哲学」の提唱に倣い、「科学としてのがん学」を学びながら、「がん学に 哲学的な考えを取り入れていく領域がある」との立場に立ち、『がん哲学』を提唱するものである。―― 」】と紹介されている。 本書が、【留学時代の良き出会い】となって頂ければ望外の喜びである。



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