今秋(2022年)の順天堂大学での英語修士課程講義【Cancer and Genes:がんと遺伝子】の英語のスライドの打ち合わせを行なった。 留学生向けの英語の授業である。 筆者は下記の3コマを依頼された。 【Cancer:がんの定義、自然史と介入/ Carcinogenesis:発がん機構総論/ Environmental cancer:環境因子とがん】
【【授業の目的】:「がん」研究の目的は、「人のからだに巣食ったがんに介入して、その人の死期を再び未確定の彼方に追いやり、死を忘却させる方法を成就すること」である。「適時診断と的確治療」の実現である。「がん改革元年」と呼ばれている2007年の「がん対策基本法」施行を機に、国のがん対策が加速した。2017年には第3期がん対策推進基本計画が制定され、さらなる改革が進められる。がん治療にあたって、より患者の視点に寄り添うことが求められる。本コースは「がん」の根幹を追求し、俯瞰的に物事を総合的に見られるようにすることを目的とする。【授業の概要】:「がん」の根幹を追求しようとする「the study of the diseased tissues」を基軸とする。「がん」の本態が遺伝子レベルで具体的に考えられるようになり、21世紀は、がん学にとってエキサイティングな時代の到来である。「潜在的な需要の発掘」と「問題の設定」を提示し、「がん学に新鮮なインパクト」を与え、ダイナミックにも魅力ある「がん学の環境」を作らねばならない。これらを通して実践的な「がん学」の涵養を図る。【受講者へのメッセージ】:「がんと遺伝子」は、疾患の理解の基礎となる学問である。患者の視点に立った医療が求められる現代、がん学の在り方を静思する。ダイナミックな「広々としたがん学」は、時代の要請であると考える。「広々としたがん学」とは、「がん学」には限りがないことをよく知っていて,新しいことにも自分の知らないことにも謙虚で,常に前に向かって努力しているイメージである。「深くて簡明、重くて軽妙、情熱的で冷静」をモットーに、「胆力と品性」をキーワードに、時代の要請感のある授業を目的とする。【到達目標】: 1.世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見通せる。2.俯瞰的に「がん」の理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材。3.複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔く人材。】と謳われている。
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