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執筆者の写真樋野 興夫先生

第229回 「医療・教育」〜 俯瞰的に理を理解し、視野狭窄にならず、時代を読む 〜

 2022年11月28日、恵泉女学園理事会(世田谷区)に赴いた。 筆者は、新渡戸稲造(1862-1933)から学んだ河井道(1877-1953)が、初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。 ウィリアム・スミス・クラーク(William Smith Clark:1826 -1886)の「ボーイズ・ビー・アンビシャス」(boys be ambitious)精神が内村鑑三(1861-1930)、新渡戸稲造へと導かれ、英文で書かれた『代表的日本人』(内村鑑三)&『武士道』(新渡戸稲造)は、若き日からの座右の書である。そして、南原繁(1889-1974) & 矢内原忠雄(1893-1961)と繋がった。 筆者は現在「南原繁研究会」の第3代目の代表を仰せつかっている。


人生は開いた扇のようである。 人生における出会いは、出会った時に受ける影響だけに留まらず、20 ~30年後に影響してくることがある。 筆者、【「将来、自分が専門とする分野以外の本を、寝る前に30分読む習慣を身につけよ。習慣となれば、毎朝、顔を洗い、歯を磨くごとく、苦痛でなくなる」、「何かをなす(to do)の前に何かである(to be)ということをまず考えよ」、『教養ある人間とは、「自分のあらゆる行動に普遍性の烙印を押すこと」であり、「自己の特殊性を放棄して普遍的な原則に従って行為する人間」のことである。それは人間の直接的な衝動や熱情によって行動する代りに、つねに理論的な態度をとるように訓練されることである。』】と教わったものである。


すべての始まりは「人材」である。行動への意識の根源と原動力をもち、「ユーモア(you more) に溢れ、心優しく、俯瞰的な大局観のある人物」の育成訓練でもある。 「なすべきことをなそうとする愛」ということであろう。「他人の苦痛に対する思いやり」は、医療・教育の根本である。

「医療・教育」: 3カ条

1) 世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく

2) 俯瞰的に理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を

問う人材の育成

3) 複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む

「具眼の士」の種蒔き

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