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執筆者の写真樋野 興夫先生

第245回 『心の蔵を豊かにする』 〜 良書を読み、有益な話を聞く 〜

 以前、朝日新聞の一面に 筆者は、『「変わり者」でなく「変わり種」である』と記載されたことが、鮮明に蘇ってきた。 『「変わり者」は、自己中心、承認欲求の強い、ほっとけ気にするなに値する者。「変わり種」は、樋野先生(笑)』との 励ましのメールを頂いたものである。 まさに、『「ひの・おきお = Origin of fire、「冗談を実現する胆力」〜 sense of humor 〜、 「ニューモアに溢れ、心優しく、俯瞰的な 大局観ある人物」』の 訓練の時では なかろうか!


『良書を読み、有益な話を聞き、心の蔵を豊かにする』(新渡戸稲造:1862-1933)。 これが、真の学問の「器量」ではなかろうか! 「器量」といえば、『桃太郎』を思い出す。 鬼ケ島遠征の物語は、子供時代、故郷のお寺の紙芝居でよく聞かされたものである。 『桃太郎』が『犬・雉・猿』という性質の違った(世にいう犬猿の仲)伴をまとめあげたことを挙げ、世に処する人は『性質の異なった者を 容れるだけの雅量』を もたなければならないと 新渡戸稲造は『世渡りの道』(1912年)で述べている。


若き日に新渡戸稲造の1929年『大阪毎日新聞・東京日日新聞』(今の毎日新聞)『偉人には 気体、液体、固体の3つのタイプある』の記事を聞いたものである。

気体:ガス性に似て名声は広がっているが、接してみると 大した印象もない人

液体:水が氾濫するように世間に一時の人気を得て、世の中に利益をもたらすが、総合すると後に残るものはない人

固体:芳しさはガスのように広がることもなく、水のように流れることもないが、その人自体に含蓄されており、近づけば近づくほど 真価が感じられる人


【固体は、樋野先生のように ブレない人ですね! 私は読書が苦手で 知識も浅く、常に自信がなく ブレブレになってしまいますが、人の心の片隅に 染みるような人になれたらと思っています。】と謙虚な、心温まる、微笑ましいメールを頂いた。 本当に涙無くして語れない!

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