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執筆者の写真樋野 興夫先生

第246回 『人生の転機』 〜 使命は与えられるもの 〜

 2023年2月10日の千葉県の八街市での講演『北総がんカフェ in 八街:樋野興夫先生特別講演会 〜 なぜ、がんカフェをはじめたのか?』と2月11日の『風の谷・がん哲学外来カフェ in いちかわ』1周年記念【樋野興夫先生講演会『主体的に隣人となる』〜『暇げな風貌』&『偉大なるお節介』〜】に赴いた。 今回 【2019年クリスチャン新聞『福音版』と2022年「『人生の転機 〜 きっと明日はいい天気 〜 27人の希望のドキュメント』(いのちのことば社)の『がんという問題は「解決」はしないけど「解消」はできる』の記事が鮮明に蘇って来た。


【樋野さんは『暇げな風貌』をしている。『私は暇ですから、あなたのために時間をとりますよ』というような雰囲気が相手に伝わる顔つき。 これが重要なのだと言う。 そしてボソボソと話す。 講演会では、マイクを使っても聞き取りづらい。『でも、そのほうが人は熱心に耳を傾けてくれる』。 外来では、まず患者の話をじっくり聞くが、傾聴ではなく対話。 相手にふさわしい言葉を考えながら耳を傾け、その後は、ほぼ樋野さんが話している。 そこが普通のカウンセリングとは違うところか。 2019年に刊行された著書『種を蒔く人になりなさい』(いのちのことば社フォレストブックス) では、――と語っている。 島根県出雲市大社町の鵜峠で生まれた。 村に診療所はなく、病気になると母に負ぶわれて隣村に行かねばならなかった。『大人になったら医者に』という思いが芽生えた。 大学卒業後 がん研究の道に進んだ樋野さんは、研究に関わって2005年 中皮腫の患者と接し、治療以外にも何かできることはないかと考える中で、『患者さんの話を聞く場』を作ろうと思った。 それが、2008年 『がん哲学外来』を生む。 自分が都会で生まれていたら、医者にはならなかったかもしれない。 いろいろなことが『もしかすると、この時のため』にあり、今につながっている。『自分でやったという実感はないね。 後から押されてる感じ。 使命は与えられるものだから』学生の頃から、『新渡戸稲造、内村鑑三』ら明治期のクリスチャンに影響を受け、聖書も愛読した。 自分が『処方』する言葉は、それら先人が残したものだと言う。―― 問題は“解決”はしないけど、そうやって自分にとってより重要なものを見つけることで、“解消”はできるから対話を通して『言葉の処方箋』を出してきた。】とある。『不思議な人生の出会いの連続』である。

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