2023年2月16日、1918年に新渡戸稲造(1862-1933)が初代学長を務めた東京女子大学の理事会に赴いた。 新渡戸稲造は、1920年国際連盟事務次長に就任し、丁度100年前の1923年 安井てつ(1870-1945)が2代学長を引き継いだ。 最近、講演会で、筆者の読書遍歴について聞かれることが多い。 筆者は、若き日、故郷の島根県出雲市鵜峠で、鎌倉時代に書かれた『歎異抄』を熟読したものである。 筆者の田舎の実家は、浄土宗の檀家であったので、中学生、高校生時代、浄土宗の開祖 法然(1133-1212)に関する本、弟子の浄土真宗の宗祖 親鸞(1173-1263)の教えの『歎異抄』を熟読したものである。 2022年6月5日筆者は『あんしんカフェてんねん』1周年記念イベントでの記念講演で青梅市の『天寧寺』に赴いた。『天寧寺』は鎌倉時代の道元(1200-1253)(中国の宗に渡り、1227年に帰国)のゆかりの鎌倉時代に始まる曹洞宗の寺院である。
2022年5月17日、本の編集者との面談の機会が与えれた。 『空海(774-835)、最澄(767-822)、法然、親鸞は、聖書を読んでいましたか?』との話題で大いに盛り上がった。 筆者は、以前【「空海(真言宗)、最澄(天台宗)は遣唐使として留学していた。 空海は新約聖書、最澄は旧約聖書を日本に持ち帰った」、また「聖徳太子(574-622)の『17条憲法』、親鸞の『歎異抄』には聖書的な言葉もありますね!?」】と聞いたものである。 親鸞の『歎異抄』に『人種、性別、年齢、能力、貧富に関係なく、誰もが平等に「人間に生まれて良かった」と言える』とある。 京都の浪人時代、南原繁(1889-1974)が東大大学総長時代の法学部学生で、その後 牧師になられた人物に出会い、南原繁、そして、内村鑑三(1861-1930)・新渡戸稲造(1862-1933)・矢内原忠雄(1893-1961)の読書に繋がった。本当に、「人知を超えた不思議な出会いの流れ」である。 内村鑑三の『後世への最大遺物』の『われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより 世の中を少しなりとも善くして 逝こうじゃないか』&『勇ましき高尚なる生涯=世の中への贈物としてこの世を去る』が、今回、鮮明に蘇ってきた。 まさに、『何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。 生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。 植えるのに時があり、植えた物を引き抜くのに時がある。』(伝道者の書3章1、2節)の復習の時ともなった。
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