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第257回 『空の巣症候群(Empty nest syndrome)』 〜 空虚で鬱々としてくる 〜

執筆者の写真: 樋野 興夫先生樋野 興夫先生

 3月26日は、2008年から継続している『東久留米がん哲学外来 in メディカルカフェ』(CAJに於いて)と2007年からスタートした『読書会』(East Sideに於いて)であった。 今回の『東久留米がん哲学外来 in メディカルカフェ』では、ニュージランドからのご夫婦との面談の機会が与えられた。 明日、帰国とのことであった。 大変貴重な時となった。 カフェでは、初めての参加者もおられ、充実した時であった。『空の巣症候群(Empty nest syndrome) = 毎日を空虚で退屈だと感じて、鬱々としてくる』で、大いに話が盛り上がった。


読書会は、内村鑑三(1861-1930)の『代表的日本人』(鈴木範久訳、岩波文庫)と新渡戸稲造(1862-1933)の『武士道』(矢内原忠雄訳、岩波書店)を毎月交互に音読しながら行っている。 今回は、三国浩晃氏が担当で、内村鑑三の『代表的日本人』の二宮尊徳の『能力の試練』の箇所】であった。 内村鑑三は【札幌農学校(初代校長クラーク;1862-1886)で新渡戸稲造と同級生であり、学んだ水産学を生かすべく国に奉職したのち、アメリカに留学し、帰国後、いくつかの学校で教鞭をとるが、いわゆる『不敬事件』が社会問題化し、一方、自身も病を得、教壇から去ることになる。 しかし不遇をかこつ何年かの間に数多くの著作、論説を発表し、これらは教育や文学、芸術などを幅広い分野に影響を及ぼした。 この時期に書かれた『Representative Men of Japan』(『代表的日本人』)は、新渡戸稲造の『武士道』とならぶ、世界のベストセラーになった。 こののち、『萬朝報』に招かれ英文欄主筆となるなどジャーナリストとして活躍し、足尾鉱毒事件にかかわりを持ち、日露戦争に際しては非戦論を貫き、やがて『小国主義』を唱えていくなど、内村鑑三は常に平和な社会を求める言論を展開している。 さらに聖書研究を目的とする月刊雑誌『聖書之研究』を創刊、多くの人々に影響を与えた】ことはよく知られている通りである。 今日の読書会では、特に【『最良の働き者は、もっとも多くの仕事をする者でなく、もっとも高い動機で働く者でした。』】が話題となった。 その後、隣のインドレストラン(ルチア)では、横浜から来られた『和み訪問看護ステーション』(神奈川県横浜市)の所長:内田由美子氏と三国浩晃氏と今年の『横浜がん哲学外来15周年シンポジウム』企画の打ち合わせを、wifeと4人夕食しながら行った。 大変有意義な時となった。

 
 
 

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