2023年5月15日、『福島県立医科大学附属病院 臨床腫瘍センター がん相談支援センター』で2009年から継続されている『吉田富三記念 福島がん哲学外来』に赴いた。 【吉田富三(1903-1973)は、福島県浅川町生まれの病理学者。『吉田肉腫』及び『腹水肝がん』の発見で世界的に知られ、文化勲章を受けた。 学者としてのみならず、がんという病気を通じて 社会の原理にまで言及する言葉を多く残す。 福島県出身の世界的病理学者 吉田富三博士を記念して、博士の孫弟子である樋野興夫先生が『福島がん哲学外来』を開設しました。 がんと共に生きる患者/ご家族の思いや悩みをともに考える“心の診察室”です。『がんと共に生きる意味やコツを 樋野先生が先人達の知恵を紐解き 一緒に考えましょう』】とチラシには紹介されている。 ただただ感謝である。 今回も大変貴重な個人面談の時が与えれらた。
筆者の癌研時代の恩師 菅野晴夫先生(1925-2016) は、吉田富三の愛弟子である。 菅野晴夫先生の下で、2003年『吉田富三生誕100周年記念事業』を行う機会が与えられた。また菅野晴夫先生は、南原繁(1889-1974)が東大総長時代の医学部の学生であったので、『南原繁の風貌、人となり』を病理組織標本を顕微鏡で診断しながら教わった。 それが、【『吉田富三の生物学』と『南原繁の人間学』を合体】して 『がん哲学=生物学の法則+人間学の法則』に繋がった。【『勇気と決断の士』&【自分は 病理学者としては とてもフォーマルな病理学者とは言えない、 インフォーマルな病理学者であり、インフォーマルな人間である。】&『優れた資質が 英才教育によって磨かれ、大形の花を咲かせたものと思われる』】が、『言葉の処方箋』になったものである。『吉田富三・菅野晴夫 = 賢明なリーダー & イニシアチブの人物』であり、筆者にとって 癌研時代の菅野晴夫先生との邂逅は『貴重な生涯の贈り物』となった。
南原繁は『何かをなす(to do)の前に何かである(to be)ということをまず考えよということが(新渡戸稲造:1862-1933)先生の一番大事な教えであったと思います』と語っている。 丁度、東京都と福島県の移動中に、吉川健一氏より『富士山の写真』が送られて来た(添付)。 まさに、『to be=富士山』である。
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