2023年8月3日、日本消化器病学会関連研究会『がんゲノム医療時代におけるLynch(リンチ)症候群研究会』の幹事会にZoom参加した。
筆者は『リンチ症候群研究会』の代表も務めている。 思えば、筆者は、『リンチ症候群研究会』設立の時、趣旨として【近年、遺伝性腫瘍に関する注目度が高まり、一般市民にも知られるようになってきており、様々な分野の医療従事者も、その対応を求められつつある。―― リンチ症候群は、「ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする常染色体優性遺伝性疾患である」と定義され、―― 遺伝に関する指針やガイドラインに沿った検査の実施が必要であると考えられる。―― 各科臨床医・臨床遺伝専門医・病理医が連携を取り、院内体制の構築を検討する必要がある。――『リンチ症候群研究会』では、リンチ症候群の概要とその診療に関連する情報を提供したいと考えている。】と述べている。
『家族性(遺伝性)腫瘍』は、『純度の高い専門性と社会的包容力の実践の場』であり、『遺伝病も単なる個性である社会構築』の時代的要請であろう。
筆者は、アメリカ留学時代の恩師『遺伝性がんの父:Knudson(写真)』(1922-2016)から下記の『5箇条』を学んだ。
(1)『複雑な問題を焦点を絞り単純化する』
(2)『自らの強みを基盤にする』
(3)『無くてならないものは多くない』
(4)『無くてよいものに縛られるな』
(5)『Red herringに気をつけよ』
まさに、『医学者の根幹』である。 筆者は、2016年 ボストン大学で Knudson博士追悼記念の講演の機会が与えられた。(添付)
幹事会の後は、新渡戸記念中野総合病院での倫理委員会に出席した。 真摯な看護師の提案には大いに感動した。 日々勉強である。
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