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執筆者の写真樋野 興夫先生

第287回 『読書の時間』 〜 『喜び』は足元にある 〜

 今朝(2023年8月18日)、『生きがいに気づく、いい言葉』(PHP研究所発行、2020年)の『出会いがもたらす、生きる“よろこび”とは』(114-117 page)を再読する機会が与えられた(下記)。


【ある日本人の青年が、東欧のある国に出張にでかけました。 ときおりしもクリスマスシーズン。 小雪が舞う町はにぎやかで、みんな足早に通りすぎていきます。 青年も急ぎ足で取引先と会食する予定のレストランに向かっていました。 そのとき、ふと、目に飛びこんできたのが、町角でリンゴを売っている少女の姿でした。 少女は、年のころは12~13歳。リンゴの入ったカゴを持っており、絵本から飛びだした『マッチ売りの少女』さながらでした。


約束の時間におくれてはいけないと思い、先を急ぐ青年。 少女のそばを通りすぎた、その瞬間のことでした。 かけ足でやってきた男が少女にぶつかり、その衝撃で少女は転んでしまったのです。 カゴの中のリンゴは道路に転がり、ちらばってしまいました。 青年は、なぜか足を止め、ふりかえってこの光景を見てしまいました。 少女はとてもかなしそうな表情で立ちあがり、道路にちらばったリンゴを拾い集めます。 しかし、通りには大勢の人が行きかい、少女はそう簡単に拾い集めることができません。 青年の心のなかで、なにかが動きました。


彼はきびすを返し、リンゴを拾い集めだしました。 そして、少女にこう言ったそうです。『そのリンゴ、全部売ってくれる?』 少女は驚き、青年にたずねます。『あなたはもしかしたら、神さまですか?』 ビジネスの世界でしのぎをけずっている青年にとって、神は遠い存在かもしれません。 けれど、青年がリンゴを拾い集めた瞬間、困っていた少女にとって、その青年は『神の手足となって働いた人』になったのです。】 


今朝は、【『喜び』というものは、常に、自分の足元にある! 『どんな人であっても 必ず誰かの役に立つ“時”がやって来る。 与えられた役割、使命を全うする。』】の『貴重な読書の時間』となった。 日々学びである。



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