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執筆者の写真樋野 興夫先生

第313回 人生の襷(たすき) 〜 大河のごとく 〜

 2023年12月7日 埼玉医科大学総合医療センター(ブレストケア科 北條隆教授 主催)での小江戸 がん哲学外来』に赴いた。『小江戸 がん哲学外来』は、201611月に、今は亡き ブレストケア科教授矢形寛先生(2019年9月11日 満55歳でご逝去)の真摯な情熱によって開設された。 まさに 『人生の襷(たすき)の引き継ぎ』で、『根底堅(かた)きは 永続す。―― 滔々(とうとう)として流れる大河のごとくなるべし』(新渡戸稲造:1862-1933)である。

 

今回は、2人の研修医が 患者の面談に同席された。 大変真摯な研修医であった。 筆者の新刊を、さりげなくプレゼントした(添付)。『よい医師を目指すにあたり、本日の「がん哲学外来」が良い刺激になれば』望外の喜びである。

 

面談者との対話で、下記が鮮明に蘇ってきた。

1)  もしかすると、この時のため (旧約聖書 エステル記4章14節)

2) 心配したりするのは やめなさい (新約聖書 ルカ福音書12章22節)

3) みなに仕える者に なりなさい (新約聖書 マタイ福音書 20章26節)

4) 患難が忍耐を生み出す (新約聖書 ローマ人への手紙 5章3節)

5) 互いに いたわり合う (新約聖書 コリント人への手紙 第1 12章25節)

 

『人生邂逅の3大法則は、良き先生(重心)、良き友(外心)、良き読書(内心)である』も語った。 人間は、自分では『希望のない状況』であると思ったとしても、『人生の方からは期待されている存在』であると実感する深い学びの時が与えられている。 その時、その人らしいものが発動してくるであろう。 『自分の置かれた如何なる境遇』にもかかわらず、『人生のversion upの邂逅』である。『病気であっても、病人ではない』の構築が、『人生に期待する』から『人生から期待される』生き方への変換であろう! 大変充実した貴重な時となった。

 

その後『恵泉女学園』に向かった。【『東久留米駅―>所沢駅―>本川越駅―>川越駅―>池袋駅―>新宿駅―>経堂駅―>新宿駅―>池袋駅―>ひばりヶ丘駅』の電車】で静思する1日となった。 



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