2024年11月7日『第70回日本病理学会秋期特別総会 ― 病理学の将来展望 ―会長:大橋健一先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科人体病理分野教授)副会長:石川文彦先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科包括病理学分野教授)』(会場:日本教育会館・喜山倶楽部) に参加した(添付)。
【近年 病理学を取り巻く進歩は著しく、病理診断においては脳腫瘍、軟部腫瘍をはじめ 分子生物学的な知見を元にした腫瘍分類が広がっており、バーチャルスライドを利用したデジタル診断、AIを活用した病理診断が進められようとしています。 一方、研究面においては分子生物学の進歩を取り入れた研究が求められており、研究論文をアクセプトさせるためには これまで以上に高いレベルのデータ、新しい技術の導入が必要になっている現状があり、シングルセル解析、空間トランスクリプトーム解析など病理学的研究に適した新技術も利用が進められています。 ―― 】と謳われている。
想えば、筆者は2010年 第99回日本病理学会総会大会長を仰せつかったものである。医学界新聞に【第99回日本病理学会が4月27-29日,京王プラザホテル(東京都新宿区)にて樋野興夫会長(順大)のもと開催された。 わが国 病理学の1世紀の集大成として,『温故創新』と『未来への懸け橋』となる学術集会をめざした今学会では,1200題を超える演題が並んだ。― 】と、シンポジウム『肝細胞癌の基礎的研究と病理診断 ― 歴史と最近の進歩』も紹介されていた。
【肝細胞癌治療の将来を見据えて:肝細胞癌では,臨床・病理・分子生物学的な研究から,多段階を経て発癌する過程が明らかになってきている。 最初に登壇した樋野興夫会長は,肝発癌研究の歴史を振り返るとともに その展望について発言した。 肝発癌研究は,1934年の佐々木隆興氏・吉田富三氏によるラットの肝発癌成功に起源を持つが,この研究が化学物質のリスク評価の礎となるとともに 前癌肝細胞や前癌病変における遺伝子発現異常の発見につながり,肝癌の解明に大きく寄与したという。 また 氏は自身の研究についても触れ,ストレス耐性という特徴を持つ前癌肝細胞が癌の生存・増殖能の亢進を惹起していると説明した。】と新聞に掲載されていた。 まさに、『温故創新』である。
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