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第343回 『病理と社会の関係性』〜『cell-cell(セル-セル)コミュニケーション』〜

執筆者の写真: 樋野 興夫先生樋野 興夫先生

 2024年4月4日OCC(お茶の水クリスチャン・センター)での『東京国際朝祷会』の講演に赴いた。『病理と社会の関係性の理解』&『cell-cell(セルセル)コミュニケーションによる教育』などを語った。 大変有意義な充実した時であった。

 

『がん細胞の病理』(体の中での問題)と『人間社会の病理』(児童虐待、家庭内暴力、自殺やうつ病の問題)の類似性が、2001年の『がん哲学の提唱』の原点となった(添付)。 つまり、【がん病理の研究を進めるなかで、正常細胞が がん化するメカニズムと、一人の人間が 社会の中で不良息子・娘になるのかは 似ている】と感じたからである。 がん細胞も一緒で、細胞間のコミュニケーション(cell-cell communication)がしっかりとれて、なんとか正常な細胞でがん細胞を守っていくことで、たとえ、がんを防ぐことはできなくても、選択的に大きくならないのでは、と考えたのである。『共生でなく共存である』。【『病気』であっても『病人』ではない社会の構築】の時代である。

 

順天堂大学病院は外来に来る人は、一日4,000人を超える。 隣には、東京医科歯科大学病院がある。 神田川を渡れば、駿河台の日大もある。 三楽病院も杏雲堂病院もある。 1日の外来患者は、 1万人弱が御茶ノ水である。

 

『メディカルタウン』は日本中どこにもない。『メディカルタウン』は街全体がメディカルな街。 例えば城下町とか港町とか!  城下町だったら天守閣があって、その城下にはお店とか あらゆる施設がある。 そのようなイメージである。 メディカルの街を創る。 医療の共同体がこれからの時代の方向性である。 人類は、遅かれ早かれ120歳で死ぬ(旧約聖書 創世記6章3節)。 これからは、【医療の共同体=メディカルタウン】が時代の方向性となろう。

 

筆者は、毎週 病理組織診断業務をおこなっている。 顕微鏡を見て病気を診断する『丁寧な観察力』の実践である。 最近、【『がん哲学』とは どういうものか教えていただけますか?】&【『がん』と『哲学』という一見調和しそうにない点 に着眼したのはどうしてですか?】の質問を受ける機会が多い。



 
 
 

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