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執筆者の写真樋野 興夫先生

第360回 『偉大なるお節介』と『暇げな風貌』 〜 寛容に受け入れていく 〜

 2024年6月25日 新渡戸稲記念センターから順天堂大学医学部での第1回『病理・腫瘍学ポットラックパーティー』に赴いた。 留学生、大学院生の真摯な姿勢には、大いに感動した。 ギリシャからの留学生もおられた。 中国の留学生には、『日中医学協会』を紹介した。 素晴らしい貴重な時であった。

 

その後、筆者は、『日中医学協会 2024年度 第一回広報委員会』にZoom参加した。『日本と中国の懸け橋は医療』であろう!『がん哲学』&『がん哲学外来』の原点回帰を実感する日々である。 まさに【がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする『陣営の外』に出る病理学者の出会いの場】である。

『偉大なるお節介』と『暇げな風貌』が大切であることを痛感する日々である。『他人の必要に共感』するには『偉大なるお節介』が必要であり、『余計なるお節介』とならないように注意しなければならない。 また『他の人々に注意を向ける』には、『暇げな風貌』が必要である。

『脇を甘くして、付け入る隙を与え、ふところの深さを身につける』(新渡戸稲造:1862~1933)ことが大切であろう。『偉大なるお節介』と『暇げな風貌』を実践することで、『悠々と謙虚な姿勢』を生むことが出来るようになってくるであろう。

世界の国々が、それぞれの器官の役割を成すように関係し合えば、平和な社会が出来上がっていくであろう。 日本は『肝臓』であるべきではないかと思う(『日本肝臓論』)。『肝臓』という器官は切られても すぐに再生し、また異物に寛容な性質がある。 さらに、解毒・代謝作用がある。 日本という国自体も同様に一部が機能しなくなったとしても すぐに再生し、また異なる文化や社会を寛容に受け入れていく必要があり、しかも 理念がしっかりしている。 そうなると 世界に重用されるようになっていくであろう。 現在の日本社会は、『正常細胞』が減少(『劣化』)し、細胞間のコミュニケーションの不足により『異常細胞』が増殖(『がん化』)する微少環境を懸念する。 人間社会を生命現象から具象的に語るのが、『がん哲学』&『がん哲学外来』の意義であろう!

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